TPPで日本の農業は「守られ」るべきか?|可能性の芽を摘みかねない関税保護

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日本の農業は「守られ」るべきか?

何年も前から言われ続けてはいたけれど、いっこうに進んでいなかったTPPについての議論。安倍さんが首相になってから加速度的に話が進んでいます。
しかし、やはり日本の農業は業界の圧力により保護されたまま。代わりに自動車の分野で不利な条件を飲まざるを得なくなっています。この状況はいかがなものなのでしょうか?今日はちょっと農業について考えてみます。

私は、日本の農業は今こそ変革すべきだと思っています。

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http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130422-00000000-sbunshun-int

交換条件の「聖域」

TPP参加につき最大のポイントだったのは「聖域」と呼ばれるもの。TPPの趣旨としては参加各国が関税を撤廃することにより国をまたいだ取引量が増え、参加国すべてに利する、というところです。

しかし、全ての関税を撤廃してしまったら困ってしま人たちがいるので、「この業種だけは関税を残しておいてよ」とお互いに交換条件を出すのが、いわゆる「聖域」です。例えば、現在日本は海外から輸入するコメに高い関税をかけていて、国産の、いってみれば「高い」コメを守っています。逆にアメリカは自動車に対して同じ事をして、日本車が売れ過ぎないようにしています。

高い関税をかけるとはつまり、外国でどんなに安価に生産されたコメでも、日本国内に運んでくるときに課税されるため結局高額になってしまい、「そんな値段では誰も買わないよ」という状態になっていまうということ。この状態を意図的に演出して人々が外国産のコメに流れないようにしている、ということですね。

一言で言うと、日本のコメは高いから輸入品に価格で勝てないのです。これを保護するのが「聖域」ということですね。

日本の農業は守られるべきか?

さて、こんな状況なのですが、果たして日本の農業はここまで守られるべきなのでしょうか?私は必ずしもそうだとは思っていません。

(ここでご了承いただきたいことがあります。TPPに関しては私なんかが意見できるほど単純ではないし、とてもとても難しいことなので、今日は完全に農業に関してだけを見て、他の難しいことは完全に放り投げて意見することになるのはご了承ください。)

photo credit: Magical Nature via photopin cc

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私は、日本の農業は保守に走りすぎていると思います。なぜなら、関税が撤廃されて輸入品が入ってきたら日本のコメが売れなくなる、だから、守らなきゃいけない。というロジックで「聖域」として扱われているからです。

要は、現状が変わるのが嫌だから、「聖域」にしてね、まだ変えないでね。ということ。いままで散々国の支援を受けてきた農業ですから、このようなスタンスになってしまうのもよくわかります。しかし、産業として、商売として農業を見た時にこの姿勢では良くないのは明らかです。

そもそも商売はその時々にあわせて臨機応変にするもの。製造業であれば可能な限り細部まで素材コストを削り、そして完璧に管理された生産方式で世の中の需給に合わせて生産量をコントロールして在庫コストをも最小化するのですから。

ただ、さすがに農業は一単位あたり生産するのにかかる時間的なコストが製造業に比べると大きいため、効率化するのにも限界があるのだとは思います。しかし、やれるところはあるはず。

たとえばこんな事も考えられます。現状一つ一つの農家が狭い土地で効率悪く生産しているところを、農地を再区分してある程度の規模の農地にし、そこで共同で生産をする。農家も一人ひとりが同じ仕事をするのではなく、ある人は生産部門、ある人は営業部門、など一般企業のような形態をとり、質の高い農作物を持って商社に売り込みに行く。

いままで農協に売るしかなかったものでも、別のルートで販売が可能になるかもしれません。関税を撤廃することを考えれば、日本の高級なおいしいコメを海外に売りに出ることもできるかもしれません。ともすれば、関税をかけて守られていた時よりも売上を伸ばすことも可能なのです。

農業を関税で保護するとはつまり、農業の発展の芽を摘むこととも解釈できるのです。

まとめ

いろいろと書いて来ましたが、これは私の全て理想像であり、制度面など障壁はたくさんあるかと思います。しかし、時代は確実に流れて変化していくもの。その流れの中にあって、上手く泳いでいけるかどうかが、今後の日本の農業、そして国としての日本の流れ着く先を決定づけることは間違いないと思います。

TPP参加に向けて農協を解体|日本維新の会の公約にみる日本の農業

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