【世界同一賃金】経済成長が見込めない時代の雇用問題|柳井会長「年収100万円も仕方ない」

雇用問題の背景

以前の記事でユニクロが世界同一賃金を導入することを話題にしました。今日はそのユニクロの戦略に関して興味深い記事を見つけたので紹介します。議論が難しい分野ですが、ちょっとチャレンジ。

 ユニクロ問題はまだ終わらない 風観羽 情報空間を羽のように舞い本質を観る

共感したのでこのブログの著者の言葉を引用します。

日本企業のほとんどは、『終身雇用はたぶん保証される合法的ブラック企業(おもに大企業)』か『合法的ブラック企業だが、実は終身雇用も怪しい企業(大多数の中小企業)』だ、という見立ては(実際の企業の中の当事者がどう思うかは別として)、かなりの部分、あたっていると私も思う。

日本企業の特徴として真っ先にあげられるのが終身雇用です。外資系に就職するのなら話は別だけれど、日系の企業であれば一度雇われれば定年まで雇ってもらえるだろう、というのが日本人の共通認識でした。

最大の問題点はなにか

しかし、終身雇用の実態はギリギリの雇用状態で、経済成長によってかろうじて雇用を保っていた、といえるのです。

雇った社員にはある程度の賃金を与え、仕事ができるできないに関わらず年功序列である程度の昇給システムを作り、大卒で入社すると手堅いポストが手に入るような雇用体制にしていた。これら日本企業の特徴は、経済成長あってこそ保っていられた、ということです。

雇用問題の最大の問題点は、経済成長を前提としている点。と言えるでしょう。

時代にマッチした雇用としての世界同一賃金

photo credit: swisscan via photopin cc

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そこでユニクロの柳井会長が、この時代にマッチした雇用として考え、出したこたえが世界同一賃金なのではないでしょうか。

右肩上がりの成長を見込んで人件費をふくらませる体質を辞め、真に付加価値を生み出して会社、社会に貢献しうる人材に投資する、という一見かなり合理的なしくみです。

世界規模で事業展開している、という点で考えてみましょう。例えば中国人の視点からして、今までかなりの高給取りだった日本人と給与面で肩を並べる、いや、それどころか追い越していけるのです。能力のある人間が正当に評価されうる、という点では合理的と言わざるを得ません。

では即戦力主義でいいのか

しかし、私はこの成果主義、いや即戦力主義は、相当な意欲格差を生み出すことになると思います。成果を出せた人はそれで良いのですが、出せない大勢の人は何をモチベーションに仕事をしていけば良いのでしょうか。

日経ビジネスオンラインのこのままでは成果主義で会社がつぶれる読者アンケートに悲痛な声が続々という記事にこのような記述があります。

「成果主義に基づいた人事評価制度は、あなたの仕事への意欲に影響を与えていますか?」と聞いたところ、「意欲を高めている」人は18%、「意欲を低めている」人は41.4%、「特に影響を受けていない」人は40.6%だった(回答者数は1082人)。意欲を低めていると答えた人は全回答者の半数以下だが、意欲を高めていると答えた人よりも2倍以上多い。

成果を出せない理由にも様々あり、努力でなんとかなる部分、ならない部分があるでしょう。あまりに成果主義、即戦力主義に傾倒すると、その他大勢の”できない”社員のモチベーション低下、そして企業全体として見た生産性の低下につながりかねないのです

やはり、放っておいてもデキる人ばかり評価するのではなく、社員それぞれの潜在能力を開発していくアプローチはなおのこと重要なのです。

これからの雇用

ユニクロの例は極端ですが、ユニクロのような一流企業がこのような方針を定めれば、それを追随する企業は数多く出てくることでしょう。成果主義の雇用に常に怯えながら暮らさねばならない社会は、全体として必ずしも幸福とはいえません。

これからの雇用に求められるのは、

  • 経済成長に頼りきらない雇用
  • 社員一人ひとりの潜在的な力を引き出す仕組みづくり

だと思います。

大幅な経済成長はもはや見込めないのです。その中でいかに人的資源を上手く使っていくのかが重要なのではないでしょうか。

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