「空間」としてのカフェの存在意義|コンビニ安価コーヒーに負けない、カフェの生き残り戦略。

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コンビニの本格コーヒーの登場。セブン-イレブンで100円コーヒー

photo credit: marfis75 via photopin cc

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最近、どこのコンビニへ行っても必ずといっていいほど目にするのが「いれたてコーヒー」の類の安価なコーヒー。コンビニ各社がこぞって導入し、まさに競って価格を下げて、ほぼワンコイン状態となっています。セブン-イレブンではセルフサービスではありますが100円でコーヒーが買えるのです。

このように手軽に淹れたてコーヒーを味わえるようになって割を食うのは、スターバックスコーヒーやドトールコーヒー、タリーズコーヒーなどのカフェ各社です。

既存のカフェは質での勝負をせざるを得ない

コンビニの強力な店舗網と、破壊的な価格の前に、カフェは”質”で勝負せざるを得ない状況に追い込まれています。比較的安価な値段でコーヒーを売るドトールはコンビニエンスストアとの競争が激化し、2013年2月期の集客数は前期比0.4%減となり2期連続のマイナスとなる模様です。

一方で2013年1月からコーヒーを順次導入しているセブン-イレブンでは、初年度の年間販売目標を約4割増で推移しています。従来のカフェと、突如現れた「コンビニカフェ」の数字を見るに、少なからず既存のカフェから顧客が流れつつあるように見えますね。

そこで、スタバやドトール、タリーズなど既存の店舗を多くもつカフェは、次の一手として様々な試みをしているようです。

スタバはノマド。ドトールは高価格帯商品。各社の考えるコーヒーの「質」とはなにか?

photo credit: anieto2k via photopin cc

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まず、スターバックスコーヒーは、オフィス街の店舗を中心に、一人がけの席を増やし、各席に電源を備え付ける改装を予定しているようです。これは、スタバでパソコンを使って作業する人が増えていることを反映させた結果ですね。また、従来の店舗よりも比較的高価なコーヒーを扱う店舗のオープンも計画しているようです。

ドトールコーヒーは、現在は比較的安価で庶民派なイメージがあるのですが、これからの戦略としてはやはり改装をして客が長く居れるような空間をつくることを目標としているようです。そして、客が長居する、つまり回転率が落ちるため、その分客単価を上げるために500円程度のセット販売を強化し、現在よりも高価格帯の商品を売り出していくということです。

タリーズコーヒーは家族連れが多い店舗に子供が遊べるキッズスペースを設けたり、通勤前のビジネスマンが勉強会などを開く、いわゆる「朝活」向けのスペースを確保したりするということ。

共通して見えてくる、「空間」としてのカフェの存在意義

photo credit: marcp_dmoz via photopin cc

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このように各社のこれからの展望を並べてみてみると、やはり共通点が見えてきます。それは、客に居心地よく、リラックスして、時に集中して、時には家族との団欒スペースとして、カフェという「空間」を楽しんでもらいたい、ということですね。カフェ各社は決して安くコーヒーを飲んで貰いたいわけではないのです。「安いコーヒーはコンビニに譲ってやるよ」、とでも思っているのでしょうか。

そもそも、ファストフード的なコーヒーはコンビニの店舗数と価格にはかなうわけがありません。ですからそこでむやみに既存の商品の安売りで対抗するのではなく、むしろ逆方向に、価格を引き上げてでも質の部分、それもコーヒーそのものだけではなくコーヒーに付随して店舗の雰囲気だとか機能を強調し、空間としてのカフェを楽しんでもらいたいという方針が見えてきました。

「コンビニに行けば100円で買えるけど、何倍のお金を払ってでもいいからお店で飲もう。だってあそこは居心地がいいから。」こういう消費者の心理を誘導できれば、今後カフェ業界は無理な価格競争に巻き込まれることなく存続可能だと思います。

カフェ各社、店舗改装加速 – 日本経済新聞
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この記事へコメントして頂いた金内様の記事はこちら。ありがとうございました(^^)

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