消費者物価指数がわずかにプラスに|日本の目指すインフレにはまだ至らず

消費者物価がプラスに

2013年6月の消費者物価指数が、去年2012年6月と比較して0.4%上昇しました(生鮮食品を除く値です)。これを受けて、麻生財務相は「デフレからインフレの流れになりつつある」と話しています。果たして、わたしたちの期待するインフレがはじまりつつあるのでしょうか。
デフレ15年 転機 消費者物価、6月プラスに  :日本経済新聞

しあわせなインフレには遠く

photo credit: christian.senger via photopin cc

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答えは簡単です。この、2013年6月の消費者物価指数の上昇は、私達が望んでいるようなインフレ(企業が値上げして利益を増やし、その分給料を上げる)ではありません。

なぜなら、6月のインフレは、主に日本が外国から輸入している燃料価格の高騰によるものだからです。

では、その証拠を見て行きましょう。そのために、まず簡単に消費者物価指数の決まり方を説明しましょう。

消費者物価指数とは

消費者物価指数は、読んで時のごとく、一般的な「消費者」である私達が日頃からスーパーで生活用品を買うとき、ガソリンスタンドで給油するとき、服を買うとき、学校の授業料を払うとき、など日常生活で直面する支出の機会に、いくら払っているのか(物価)、を「指数」にしたものです。普通の人が普通に暮らすときに買うものやサービスの値段を追いかけている指数ということですね。

品目別の詳しい年次データはこちらから見ることもできます。

では本題、今回のインフレの主犯格はエネルギー価格の高騰によるものである、ということを証明するのは簡単です。統計局が発表した資料を見れば一目瞭然なのです。

http://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf

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こちらの表をご覧いただくと、「光熱・水道」の前年同月比が5.7%とあります。衣服や食料品、ガソリン、電気代、教育費など全ての物価をあわせてトータルで0.2%の上昇だったところ、そのうち5.7%が「光熱・水道」簡単にいえば電気代が上がったことに起因する、ということです。

そのほか物価の上昇を支えた交通・通信も、主にガソリン価格が上がったことによります。

つまり、今回のインフレは、発電のためや、車を走らせるために外国から輸入している燃料費が増えたことによるものなのです。

私たちが望むインフレとは

では、私達が期待しているインフレとは、何なのでしょうか。

それは、
・企業が商品、サービスの値上げ
・売上、利益の増加
・押し上げられた利益で社員の給与を増額
・社員が消費を増やす
・需要が増えてさらに物価が上がる

というサイクルです。今回の燃料費増によるインフレと決定的に違うのは、物価上昇の成分が、次の消費へとつながっている点です。
今回の物価上昇分、燃料費の増加は、決して電気会社の社員の給料に反映されません。原価が上がっただけなのです。

私達が望むしあわせなインフレを実現するためには、企業が過剰な値下げ競争をやめること、利益を社員の給与に柔軟に反映することが必要だと思います。

人件費、特に固定給を上げることは経営にとってリスクでもあり、舵取りが難しいところですが、本当にデフレ脱却を目指すのであれば、日本全体としてそのような方向にシフトして行かなければなりません。

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