【読書】資産運用の王道はやはりインデックス投資|敗者のゲーム(チャールズ・エリス)は来るインフレ時代のバイブル?

敗者のゲーム、勝者のゲーム

photo credit: Alan Cleaver via photopin cc

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チャールズ・エリス(Charles D.ELLIS)の「敗者のゲーム」を読みました。以前の記事で紹介した「ウォール街のランダムウォーカー」と並んで、資産運用の入門書としてベストセラーになっています。

僕は中古で手に入れたので1999年の版でした。ちなみに最新刊は2011年のものです。最新刊にはリーマンショックなど時事的な内容が含まれているそうですけれど、基本的な内容は変わっていないようです。むしろ、その当時のアメリカの状況を未来から覗くことができるので面白かったですね。

タイトルの「敗者のゲーム」とは、市場平均を上回ることを求めて投資すること。つまりアクティブ投資のことで、逆に「勝者のゲーム」はそのアクティブ投資をしないこと、だそうです。

基本的に長期インデックス投資の大絶賛

medium_503755550内容としては「ウォール街のランダムウォーカー」とほぼ同じで、インデックス投資信託を長期に渡って持ち続ける、あるいはドルコスト平均法で毎月または毎年一定額を積み立て続けるのが一番いい、というものです。

端的に言えば、この本の著者も株式市場は「効率的市場」であると信じています。

効率的市場、あるいは市場が効率的である、というのはどういうことでしょう?

それは、
証券の市場は、個別の証券の価格を左右するような情報、例えば業績の悪化、改善などを瞬時に折り込み、完全なるインサイダー情報でも無い限り(インサイダー情報までも織り込む、という説もあります)は価格の変動を予測することは不可能だという立場です。

もっと具体的にいえば、「最近、トヨタが儲かっているらしいよ。決算もいい感じだったし」という情報をいち早く得たとして、ここぞとばかりにトヨタの株に投資したところで意味ないよ、ということです。市場が効率的であれば、僕らがトヨタ業績好調のニュースを見聞きするよりも前に情報を織り込んでいて、満を持して株を買う頃には最高値をつけているのです。そのあとこの投資家がどうなるかはご想像にお任せします。

この「効率的市場仮説」はなんとなく不思議な気がしますけれど、投資のプロがうごめくなか僕ら個人投資家が「情報戦」を仕掛けるのはなんとも無謀であることだけは確実ですね。効率的市場仮説については様々な議論がされているので、興味のある方はちょっと勉強してみると面白いと思います。

日本人が忘れかけている「インフレ」への言及が新鮮

この本を読んでいてとても新鮮に感じたのが「インフレ」についての言及です。日本ではこの20年間のインフレ率はほぼゼロだったので、「インフレの脅威」についてはスポットライトがあたらないできました。

しかし、この本がインフレ率の高いアメリカの、それもインフレ率の高かった時期の本であることから、インフレがもたらす脅威についての言及が多く見受けられました。

ちょっとここで1980年から2013年までの日米のインフレ率を引用します。
インフレ率(年平均値)の推移 - 世界経済のネタ帳

縦軸がインフレ率、横軸が年で、青がアメリカ、緑が日本です。過去33年に渡ってアメリカは常に日本よりも高いインフレ率でした。

インフレ率と資産運用についての深い言及はここでは割愛しますけれど、インフレ率が高いと、例えば今100円のものが5年後に200円になるということが起こり得ます。つまり、今のお金の価値が目減りし、この例の場合では半分の価値になってしまいます。

資産運用とインフレの関係を考えれば、せっかく資産運用でお金を10%増やしても、インフレ率が10%であればお金は全く増えていないことになります。100円が110円になったとして、チョコレートが100円から110円になったら結局なにも変わりませんよね。

こういったインフレの恐ろしさは、日本において少なくとも20年間は忘れられていました。なぜなら、グラフを見ていただければ分かるように、日本の物価はこの20年間ほとんど変わっていません。むしろ、デフレによってモノの値段が下がり、同じ100円で多くのものが買える、つまりお金の価値が高くなることすらありました。

来る(?)インフレ時代のバイブル

アベノミクスが始まり、インフレ率を2%に!!という目標が設定された今、インフレの弊害についてもう一度しっかり確認しておく必要があるのではないか、と感じましたね。デフレの弊害があまりにも酷かったとはいえ、過度なインフレも怖いのです。

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