ミスチル公式Youtubeチャンネル開設
5月29日の今日、Mr.childrenが新曲「REM」のダウンロード配信販売を開始するとともに公式Youtubeチャンネルを開設しました。既に新曲REMを含めて20曲のMV(ミュージック・ビデオ)が公開されています。
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新曲「REM」も。無料で放出してしまう背景
CDやDVDの特典として販売されることが多かったMVを無料で公開するに至った背景を考えてみます。
まず簡単に思い当たるのが、インターネットへの音楽、映像の不正アップロードでしょう。Youtubeで「ミスチル」とか「Mr.children」と調べれば、大抵の曲はアップロードされています。ライブ映像も2009年版や2012年版など、同じ曲の別アレンジまで聞けてしまいます。もちろんライブDVDは通常であれば7000円とか8000円を払って手にするもの。それが無料で見れる現状があります。
”無法地帯”Youtube
このように、音楽ソフトや映像に関して言えばYoutubeは無法地帯になっているのが現状です。中には、ただアップロードするだけでなく、その動画に広告を掲載して金稼ぎをしている人までいます。人が作ったコンテンツをそっくりそのまま不法にアップロードして金稼ぎをしているのです。有名であればあるほど再生回数も伸び、かなりの収益になっていることでしょう。この状況をコンテンツを作って生計を立てるアーティストが知ったらどれだけ哀しいことでしょうか。Youtube側もそれら不正アップロードに対して見張っており、動画を削除したりアカウントを停止したりと対策をしてはいますが、イタチごっこになっています。
諦めも肝心?
アーティスト側はこの現状を踏まえて、放っておいてもどうせ不正にアップロードされてしまうなら、公式に「これが本物です。どうぞごらんください」と放出するほうがいい、と判断したのかもしれないですね。本物が堂々とコンテンツをアップロードするようになれば見たいひともわざわざ不正にアップロードされたものをみなくても済みますし、曲をよりオープンに知ってもらえる機会が得られるかもしれません。
メジャーアーティストはライブで稼ぐ時代?
タダでMVを見せてしまう決断をした裏には、CDやDVDの音楽ソフトだけでは稼げず、ライブに来てもらってお金をとる、というスタイルに変化した音楽業界全体の思惑もあるかもしれません。
そもそもCDが売れないので、従来のように
- ラジオや有線で曲を知る
- CDを買う(課金)
- 曲を気に入る
- ライブに行く(課金)
というダブルで課金するスタイルはいまや成り立たず、極端に言えば
- ラジオや有線で曲を知る
- Youtubeで聴く
- Youtubeでライブ版も見る
と、全くお金を払わなくても音楽を聞けて、ライブの臨場感まで味わえてしまうというのです。
ここまでくると、コンテンツ制作者はお手上げに近いです。今のメジャーアーティストは、百歩譲って音源、映像は不正に出回ることを事実上黙認して、MVなども公開するかわりに、ライブにたくさん来てもらおう、という考え方をしています。実際ミスチルもライブばっかりやっています。
幸いファンの多いミスチルは、ライブをやればやるだけ客が来てくれるので、まさにライブで稼いでいるといえるでしょう。僕としてはいくらでも払うから毎年コンスタントにアルバムを出してくれたほうが嬉しいのですが、世の中の動きがそれを許してくれません。
どのようにしたらライブに行きたいと思うか、という事を考えれば、そもそも曲を知らなければ行く気にはなりません。ですからなるべく多くの人に曲を聞いてもらい、そこからライブに動員してお金を落としてもらう、というサイクルへと移行しているのです。
ホンモノでニセモノを締め出せるか
今回公式Youtubeチャンネルを開設したことで、いままでのさばっていたニセモノ動画を排除できるのかどうか。悪貨で駆逐されてきた良貨を、良貨でもって守ることができるのか、今後の動向が気になります。
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