資産運用について久々に考えてみたーインデックス投信積立編ー

金融庁の「老後資金2000万円不足」レポートが世を騒がせ、若年層からの資産形成の重要性が注目を集めています。かく言う私自身も、将来の年金に全幅の信頼を置くことなんてできない、アラサー世代です。

ブログの更新が滞って久しいですが、久々に自分自身の資産運用、特に株式に対する投資について、投資との出会いから、現在に至るまでの運用成績、最近考えていることなど、数回に分けて記事にしてみようと思います。

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就職してから今までの運用スタイル

私の投資遍歴は、大学在学中の2013年ごろに出会った一冊の本から始まります。

学生時代に出会ったインデックス投資のバイブル

まず私の投資スタンスを語るのに避けて通ることができない書籍があります。正直、資産運用に「真面目に」取り組みたいのならば、この本は必読だとすら思っています。アメリカの経済学者バートン・マルキールの「ウォール街のランダム・ウォーカー」です。

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この本の初版が発売されたのは、なんと46年前の1973年です。その後、最新の12版に至るまで度々改定を重ね、超ロングセラーとして世界中の投資家に親しまれています。

その主張は数十年経っても一貫しており、

  • 株価の変化を予測することはムリ(効率的市場仮説)
  • でも長期的に株式は右肩上がり
  • 市場平均(S&P500など)を出し抜こうと銘柄選別をするアクティブファンドは、手数料が成果を蝕むことに加え、長期的にインデックス投資の成績を下回る(実績での検証あり)
  • だから、個人投資家は、S&P500などの指数に連動するインデックス投資信託を保有するだけで大抵のプロに勝つことができる。

と言うシンプルなものです。過去の事実をもとに、見事にインデックス投資の優位性を説いています。

巷の投資本と一味違うのは、当初の主張を数十年かけて証明できてしまっていることです。たまたま一発当てた人の書く投資本とは、重みが違います。物理的にも重みが違います。(正直、分厚いし、ある程度興味がないと読破できないです)

余談ですが、過去に起こったバブルの歴史にも触れていて、これが読み応え抜群です。オランダのチューリップバブルや、イギリスの南海会社のバブル、日本の不動産バブル、そして2000年前後のITバブルなど、人々が熱狂し、そしてバブル崩壊によって壊滅的な被害を被る様子を解説しています。歴史は何度も繰り返し、今後も繰り返すのだと思います。ビットコインも、立派なバブルを作りましたしね。

かくして、この本に感銘を受けた私は、実践として、在学中から楽天証券で数千円の積立を開始したのでした。

この数千円という金額は、投資と呼ぶには微々たる金額ですが、経験がゼロの私としては、時価評価額が日々変動するのがとても新鮮でした。

NISA、積立NISA、確定拠出年金の総動員

2014年からは、日本でもNISA制度(少額投資非課税制度:通常利益に対して約20%取られる税金が、一定額までの分はゼロになる制度)が始まり、2014年4月から新社会人となった私は早速NISAの枠内(当時は年間100万円)での積立投資を開始しました。

社会人1年目では年間100万円の枠を使い切ることはできませんでしたが、国内外の株式、債券の指数に連動する投資信託を毎月買い増していきました。

2016年ごろに当時の務め先が企業型の確定拠出年金の制度を開始した際には、マッチング拠出制度(給与の一部を追加で拠出する制度)を利用して、拠出できる最大限度で国内外の株式投資信託を積み立てました。

2018年に積立NISA制度が開始となってからは、一般NISAから積立NISAに移行。

2018年には転職も経験し、企業型確定拠出年金から個人型確定拠出年金(いわゆるiDeco)への移管も経験しました。

現在も、積立NISAとiDecoは共に限度額目一杯の積立を継続しています。

で、投資成績は?

そんなこんなで、ただひたすらにインデックス投資信託を積み立てて、はや5年以上が過ぎました。

次の画像は、2014年4月ごろから2019年8月15日までの、主にNISA口座で買ってきた投資信託のトータルリターン (ざっくり、含み益と捉えてください)の推移です。iDeco分は含んでいません。ちなみに、2019年初に要り用があって一部解約するまでは、一切解約していません。バイアンドホールドというやつです。

楽天証券の投資信託トータルリターンの画面

投資開始してからの主な経済イベントとしては、

  • 2015年のチャイナショック
  • 2016年のブレグジット

で一時マイナス10%程の含み損が発生しました。その後、2016年の11月まで、ほとんどずっと含み損状態でしたね。

しかし、言い換えれば、相場(主に株式市場ですね)が低迷する中で着々と安値での仕込みができていたわけで、

  • トランプ大統領誕生

からの猛烈な上昇相場を追い風に、2017年の年末には含み益が約25%にまで膨らみました。

元金100万円だとしたら125万円ですからね。この時は積立投資、ドルコスト平均の凄さを実感しました。

最新の成績はといえば、

  • 2018年年初からの調整局面(FRBの利上げ等)
  • 2018年末〜2019年初のアップルショック(米中貿易摩擦)

で、ピークからズルズルと悪化しました。2019年8月に入ってからは米中貿易摩擦の影響で更に急落しています。

含み益はジワジワと減ってきているものの、投入資金に対しては未だに10%程度を保っています。

実践してわかったインデックス投信への積立投資のメリット

相場が下がろうと、上がろうと、毎月一定金額をひたすらに積み立ててきた結果がこれです。

銀行預金と比較すれば雲泥の差です。

もちろん、これから更に世界の株式相場が下落する可能性だってあり、再び含み損を抱えるかもしれません。

あるいは、ここ数日で米国の2年と10年の長短国債利回りが逆転したことから、1年ほどかけてのバブル相場がスタートする、という説もあります。

急落相場で慌てふためいて売却したり、割高に思えて買えず、その後の更なる上昇相場を逃したりせずに、淡々と買い挑んで行けるのが、積立投資の最大のメリットだと思います。5年以上身銭を切って実践してきたからこそ、そう思えます。

インデックス投信への積立投資は、資産運用初心者が始めるのに最適な運用スタイルです。

次回は、インデックス以外のスタイルについて思うことについて書いていきます。

ひとまず、今日はこの辺で。それでは。

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