日経平均が大幅に下落
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急上昇を続けてきた日経平均株価が、今日5月23日の終値で前日よりも1143円安い1万4483円となりました。
背景として、
- アメリカが金融緩和からの脱却を示唆されたアメリカ株の下落
- 中国の景気の陰り
- 円安の勢いの鈍化
このようなものが挙げられます。
アメリカの脱・金融緩和
アメリカの金融緩和脱却について詳しく見てみましょう。
昨日アメリカが金融緩和を段階的に縮小することを示唆したことで、投資家がアメリカの株を売りました。金融緩和は、ある意味で無理やりにでも株価を維持する効果がありましたが、それを取りやめるというのです。投資家はこれ以上株価が上がらないと推測して株を売ってしまいました。
金融緩和は本来放っておくべき市場をコントロールするもの、ともいえます。株価を上昇、維持し、その間に製造業などの産業が本当の意味で業績を回復させる、という結構な荒業です。できることなら早くやめてしまったほうが健全なのですが、投資家はそういうニュースに敏感に反応してしまいます。「前買った株がどんどん利益伸びてるけど、このへんでとりあえず利益を確定しよう」と思って売りにはいり、結果として株価全体の下落につながりました。
アメリカの経済と密接に関わっている日本は、この影響を受けたわけです。
結局株価を動かすのは人間の気持ち
株とか為替とか、難しそうに思えますけど、結局、動かしているのは人間の欲望、気持ちです。みんなが上がる、と思って株を買えば、需要が増えて価格が上がりますし、下がると思って売れば需要が減って価格は下がります。
今回のように、都合よく儲けられる環境(金融緩和)が変化するようなニュースが入ってきたら、今出ている利益を確実にするために株を売ることになります。
アベノミクスで日経平均株価が急上昇しているのも、もとはといえば「アベノミクスの政策によって株価があがるのではないか」、「日本の企業の業績がよくなるのではないか」、と期待する気持ちがあるからです。そのときの株価の動きは、実際に企業が利益を出していてもいなくても関係のない次元の話です。
アベノミクスをバブルで終わらせないために
巷でアベノミクスはバブルではないかと悲観されているのは、まだ現時点で企業が設備投資などでお金を使い、利益をあげていないからです。
企業の経済活動が活発になれば、本当の意味で企業が元気になり、株価と実績の差がなくなってきます。それが、アベノミクス、金融緩和の本当の狙いです。
つまり、現状の政策をみると、本来「業績→株価」というところを、投資家の期待を煽って「株価→業績」にしようとしていると解釈することができます。
こういった状況をもとに、アベノミクスをバブルで終わらせないためには、
- 日本人、そして外国投資家が日本の未来に希望をもつこと
- 企業がビビらずに設備投資をすること(=銀行からお金を借りること)
というのがポイントではないか、と私は思います。ただし、経済は思った通りに行かないもの。せめて、失望せずに見守りたいです。
引き続き、国債の長期金利にも注目です。→日本国債の長期金利が急上昇
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